「故 一文字弥太郎を支えてくださった皆様へ」
投稿日:2022.02.21
既に報道がございました通り、一文字弥太郎(本名=名切 勝則)が令和4年2月18日、午前8時44分、満62歳で逝去いたしました。
応援してくださったファンの方々や、生前にお世話になった関係者の皆様へ、
本来であれば早くお伝え申し上げるべきところ、私達家族としてもあまりに急な出来事に戸惑い、
事後のご報告になりましたこと、何卒ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
1月中旬に新型コロナウイルスの陽性反応を受け、自宅療養にて回復に臨んでおりましたが、
重度の肺炎と診断されて以降は入院しておりました。
一時は快方へ向かっておりましたが、細菌性の肺炎合併症により容体が悪化し、
本人の頑張りも虚しく、帰らぬ人となってしまいました。
生前の父は放送作家の傍で、「イリガン珈琲店」「イリガン咖喱店」を営み、
日々ご来店くださる方々と、読書会やコラムを通じて繋がりを深めてまいりました。
父の生き生きとした姿を側で見ますと、生き甲斐であったのだろうなと感じており、
応援してくださった皆様には、大変感謝致しております。
残念ながら現場に復帰することは叶いませんでしたが、コロナに罹患して以降
保健所の方々、救急隊員、医師、看護師の皆様より治療対応にあたっていただきましたこと、
この場をお借りして感謝申し上げます。
父が最後に、イリガン珈琲店HPへ記載しましたコラムをご紹介させていただき、
本人のご挨拶と代えさせていただきます。
2022.1.7
「神様ヘルプ!」
Q/最近、よく使う言葉は何ですか?
「まじ?」「疲れた」「はあ~~」 それ言葉ではなく溜息ですけど。
Q/最近、使っていない言葉は?
「好き」とか「愛してる」とか
Q/では、昔から使うのをためらってきた言葉は?
・・・ちょっと考えてみる。何だろう? もしかして「助けて」かな。
Q/なぜ「助けて」って言えないの?
だって自分のせいでそうなったから。言うと悲しむ人がいるから。
「もっと早く言いなさいよ」と怒られるから。
どうせ何もしてくれないから。言うと、負けだから。
誰ひとり取り残さない社会、持続する社会というキャッフレーズで溢れているのに
今、病気になっても<自己責任>を問われるようになってしまった。
「ルールを破ったあなたのせいよ!」
「会社や仲間に迷惑かけて、どうしてくれんの?」
こんなだから、みんな保身に走る。考えるのをやめて上からのルールに従う。
するとますます「助けて」って言い辛くなるのに、そこは見て見ぬふり。
自分さえよければそれでいい。
今、「助けて」って素直に言えるのは、神様ぐらい?!
2022年、みんなでその空気を変えませんか?
自分の半径5メートル以内は「助けて」と言いやすい空気を作る。
もちろん、僕も声をあげるかもしれない。
実質、人ってなかなか助けられるものではありませんが
誰かにつなぐことはできるかもしれない。
「助けて」が言えたら、もっと他のことも言えるはず。だから楽しくなるはず。
Q/好きな言葉は?
「ありがとう」
・・・窓際の席でこの言葉を聞きながら、珈琲を飲むのが好き。
一文字 弥太郎
せめて)半径5メートル。
店内はもう少し広いですが、一緒に読書をしながら、お食事や珈琲を飲んでくださる皆様の憩いの場となりますように、
父が愛した「本」と「珈琲」と「咖喱」を、一人でも多くの方へ届けられるよう頑張ってまいりますので、今後とも末長くご愛顧くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、誠に勝手ではございますが、供物/香典に付きましては固く辞退させていただきます。
言葉を大事にしていた父でございますので、生前お世話になった方々/ファンの皆様がご来店の際は、是非従業員へお声がけいただき、父のエピソードを色々お聞かせ頂きたく思います。
本来であれば、当方からご挨拶に伺うべきところ大変恐縮ですが、略儀ながら書中を持ってお知らせさせていただきます。
「お父さん、ありがとう」
イリガン珈琲店/イリガン咖喱店 店主